こんにちは!
小さな会社の輸出を全力でサポートする海外販路開拓コンサルタントの有本です。
SWOT分析という言葉を聞いたことがありますか?
SWOT分析とはマーケティングにおけるフレームワークの一つで、自社の強みと弱み(内部環境と言います)と、自社を取り巻く外部の機会と脅威(外部環境といいます)を分析し、戦略へつなげようという手法です。
ちなみにSWOTとはStrength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)のそれぞれの頭文字をとった言葉です。(SWATではありませんよ。SWATは米国警察の特殊部隊です。。)
このSWOT分析は、経営コンサルタントなどが企業の事業戦略策定についてアドバイスする際などに必ずといっていいほど使われるフレームワークなのですが、正直、小さな会社にとって戦略を策定する際にはあまり役に立たないと僕は思っています。
SWOT分析では、自社の強みと弱み、自社を取り巻く外部の機会と脅威を洗い出すという作業を行うのですが、まずこの「強み」や「弱み」というのをどうやって判断するのか?という問題があります。
強みや弱みというのは比較する相手があって初めて浮かび上がってくる相対的なものです。
ある相手に対しては強みと言えるものでも別な相手に対しては全く強みとならない、ということはよくあります。
例えば「50年以上の経験から蓄積された技術力が強み」といっても相手が100年企業ならどうでしょう?
全く強みにはなりませんよね。
ですので、正しく分析を行おうと思えば、まずは競合相手を特定する必要があるのですが、そもそも競合相手というのは「この国のこの市場のこのユーザーに対して自社の商品を販売しよう」という戦略が決まって初めて明らかになるものです。
なので「戦略」を策定するのにSWOT分析は使えない、ということになるのです。
また、外部の機会と脅威というものも特定しづらいものです。
一般的には、市場のトレンドや各国の規制、経済連携協定などの国際的な動き、などが挙げられるのですが、小さな会社にとってそれらの多くはマクロ的すぎて、分析して戦略をどうこうといったレベルのものではありません。
例えていうなら小さな会社は太平洋のど真ん中を漂うボートのようなもので、外部の機会や脅威といったものは、天候とか潮の流れとか寄せてくる波の大きさとかといったところでしょうか。
それらは分析したところでほとんど対応不能のものです。
小さな会社にとっては陸がどっちの方角にあるのかといったある程度の方向を確認した後はただがむしゃらにオールをこいで前に進むことが大事なのです。
ではSWOT分析は全く使えないかというとそういうわけではありません。戦略を導くにはあまり有効ではありませんが、自社が置かれている現状を整理して把握するために使うのであれば有効だと思います。
小さな会社のSWOT分析の具体的なやり方については別の機会に書いてみようと思います。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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